凍結肩に対するサイレント・マニュピレーション
従来肩関節の動きが悪くなるいわゆる“凍結肩”と呼ばれるものは、肩関節を覆っている袋が非常に厚く、また硬くなっているため、人の手によるリハビリテーションではどうしても限界があり、改善に数ヶ月〜数年とかかる場合が多く、また改善の程度も期待できるものでないことがままあります。
これに対し、肩周囲に麻酔をかけその厚く硬くなった関節の袋をやぶき、関節の動きを改善させる治療法の一つとしてサイレント・マニュピレーションがあります。
効果として即時的な関節の動きの改善と何より痛みの軽減が期待出来ます。
また関節の動きに関してはその効果の安定性にその後のリハビリテーションがとても大事になってきます。
治療手順
- 頚部より肩を担う神経に対してブロック注射を行ないます。
呼吸がしずらくなることがありますが座位などをとることにより軽減します。
- 麻酔がかかったのを確認した後、医師の手で腕を動かしながら関節の袋を破ってゆきます。
破る際ビリッとしたやぶれる感じがします。
- 施術後痛み止めの注射を肩関節にします。
- 30分程の安静後、麻酔がかかった状態ですので三角巾をつけ帰宅していただきます。
麻酔は約4〜5時間続きます
- 翌日、診察→リハビリテーションとなります。
サイレント・マニュピレーションの副作用・合併症
- ごく稀に麻酔薬における中毒の可能性があります。
当院では万が一中毒症状がおきた場合に備え酸素・及び麻酔薬を中和させる点滴を用意しております。
- 呼吸をつかさどる神経に麻酔薬が作用し呼吸が若干しづらくなるケースがあります。
片方への肺への症状なので寝ている状態から座ることにより横隔膜がさがり安定した呼吸が出来るようになります。
- 肩周囲の組織を破くため皮下出血が起こることがあります。
- 骨折・脱臼の報告があります。
- 1回の施術では効果が得られないことがありその際には2回目の施術で良好な結果が得られることがあります。